2011年12月2日金曜日

西美濃三十三霊場第11番札所

西美濃三十三霊場第十一番札所
萬松山瑞巌寺(ずいがんじ)
所 在 岐阜県揖斐郡揖斐川町瑞岩寺192
宗 派 臨済宗
本 尊 地蔵菩薩像
創 建 建武3年(1336年
開 基 伝・行基


瑞巌寺は、10番・平安寺から北へ約2㎞のところにあります。8番・善南寺から池田山山麓を北上してきましたが、瑞巌寺までくると既に池田町から出て、揖斐川町に入っています。
第11番霊場の碑

天平年間(西暦730年頃)、行基菩薩が諸国巡錫のおり、この地に霊異を感じて一堂を建立し地蔵菩薩を安置したのが、仏縁が結ばれた初めであると伝えられています。
山門へのアプローチです
その後、この地方の武家勢力を統率した美濃の守護・土岐頼貞が禅宗に帰依し、信仰が高まります。その子土岐頼清は、旧春日村に小島城を築き、平時は現在の瑞岩寺地区に暮らしました。頼清の子・頼康の時代になると、美濃・尾張・伊勢三カ国の守護を兼任し、土岐一族の勢力は絶大なものになります。


建武3年(1336年)、頼康が父頼清の菩提を弔うために、この地に一寺を建立したのが瑞厳寺の始まりです。頼康は瑞厳寺創建にあたり、父頼清の尊崇していた地蔵菩薩を仏殿の本尊として祀りましたが、これは行基の古伝にも由来すると考えられます。本尊・木造地蔵菩薩坐像は岐阜県指定の重要文化財です。
様式美を感じる本堂です
鐘楼にはつるし柿が! のどかですねえ

文和2年(1353年)6月北朝の後光厳天皇が南北動乱の都を避けて、瑞巌寺の小島頓宮に入り、8月まで滞在された縁で、翌々年「萬松山瑞厳報国禅寺」の勅額を下賜されています。
瑞巌報国禅寺の碑

遠景です。自然に囲まれ時間が止まって見えます。

緑豊かなのどかな風景に溶け込む瑞巌寺は、さながら天平の里を思わせる風情です。時間を忘れて風景の一部になってみたいと思える場所ですね。

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