2012年5月18日金曜日

西美濃三十三霊場第24番札所


西美濃三十三霊場第二十四番札所

養老山大菩提寺(だいぼだいじ)

所 在 岐阜県養老郡養老町養老1193

宗 派 臨済宗妙心寺派

本 尊 如意輪観音

創 建 不詳

開 基 不詳

養老山大菩提寺(臨済宗,如意輪観世音菩薩)は別名大悲閣ともいいます。大垣駅を起点にすると約13㎞ですが、最寄りの養老鉄道養老駅からなら約1㎞なので、比較的お出かけ安い立地条件です。
第24番霊場の碑

道路から駐車場に入ると、右手に古い木造の校舎のような建物があります。これは講堂と呼ぶべきもので、言うなれば修行道場です。畳敷きになっていて、いまもボーイスカウトや空手の会などの座禅合宿が行われたりしています。

寺は比較的近世に建てられたものですが、本尊は古く、飛鳥時代作の聖観世音で近江の千手寺から尾張妙興寺を経てこの寺に祀られたと伝えられています。


大正末期、某宮妃殿下をはじめ全国の信徒十万三千人から毛髪を集め、京都西陣で奉織した毛髪観音もまつってあります。

この寺から少し山手に登っていくと、孝子伝説で有名な養老の滝があります。滝については、25番霊場である養老寺で紹介します。

養老公園周辺はどの季節も楽しめますが、やはり一番の時期は紅葉シーズンでしょう。境内だけでなく、周辺の山も色とりどりに染まって養老山地全体が一年を通じて最高の見せ場をつくりだします。近県の方にはぜひお出かけいただきたい紅葉スポットです。

この寺のある附近は、古事記に記されている当芸野というところで、伊吹山で負傷した日本武尊が、このあたりへ来たとき、足が痛み出し「当芸当芸斯玖〔たぎたぎしく〕なってしまった」ので、その後当芸野(たぎの)と呼ぶようになりました。ここから三重県にかけては、日本武尊にまつわる地名が多く残されています。





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2012年5月10日木曜日

西美濃三十三霊場第23番札所


西美濃三十三霊場第二十三番札所

補陀山報恩寺(ほうおんじ)

所 在 岐阜県大垣市綾野町2720-1

宗 派 曹洞宗

本 尊 十一面観世音菩薩

創 建 永禄元年(1558)

開 基 薩摩の僧一元和尚


報恩寺は大垣駅から約4.5㎞南西に位置します。歩いて1時間、車なら10分以内で着きます。創建は戦国時代の永禄元年(1558年)でしたが世が世だけに中絶してしまいます。創建からおよそ100年後の明暦3年(1657年)、不破郡岩手の禅憧寺(16番札所)の昌山和尚によって再建されました。


再建された報恩寺は七堂伽藍が建ち並び、大勢の雲水が修行する大寺院でしたが、洪水や台風、震災などで被災するたびに縮小していき、現在の規模になってしまいました。もはや往時をしのぶことはできませんが、古くからの農家集落の中にあり、周りは静かでのどかな雰囲気です。
 

こうしたなかで、円空さん作の薬師如来像、日光・月光両菩薩と十二神将の計15躯が奇跡的に残りました。この組み合わせすべてが揃っているのは、岐阜県内の円空仏では報恩寺だけで、全国的に見ても数例という大変貴重なものです。昭和39年(1964年)に岐阜県の重要文化財に指定されています。



伝えられるところでは、円空さんは約300年前に綾野を訪れ、たび重なる水害による疫病に苦しむ綾野の人々のために薬師三尊と十二神将を彫り、報恩寺の新福院薬師堂に奉ったところ、流行り病が治まったということです。それ以来、報恩寺に大切に安置されてきました。

保存状態も良く、荒々しいタッチですが丁寧に彫られていて、円空さんの特徴がよく顕われています。それぞれ表情は違いますが、じっと見ていると一様に優しいほほ笑みを浮かべているように感じられてきます。円空仏は予め電話で予約しておけば無料で拝観することができますので是非お出かけください。

10月には綾野祭があります。風水害がなく豊作であったことを祝う秋祭りで、江戸時代末期から伝わる曳山(ひきやま)が、華麗なからくりや子ども舞踊などを披露しながら町内を曳き回ります。


神楽やま、猩々やま、鯰やま、獅子やま、小獅子やまの5両があり、県指定の民族文化財になっています。


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