2012年5月10日木曜日

西美濃三十三霊場第23番札所


西美濃三十三霊場第二十三番札所

補陀山報恩寺(ほうおんじ)

所 在 岐阜県大垣市綾野町2720-1

宗 派 曹洞宗

本 尊 十一面観世音菩薩

創 建 永禄元年(1558)

開 基 薩摩の僧一元和尚


報恩寺は大垣駅から約4.5㎞南西に位置します。歩いて1時間、車なら10分以内で着きます。創建は戦国時代の永禄元年(1558年)でしたが世が世だけに中絶してしまいます。創建からおよそ100年後の明暦3年(1657年)、不破郡岩手の禅憧寺(16番札所)の昌山和尚によって再建されました。


再建された報恩寺は七堂伽藍が建ち並び、大勢の雲水が修行する大寺院でしたが、洪水や台風、震災などで被災するたびに縮小していき、現在の規模になってしまいました。もはや往時をしのぶことはできませんが、古くからの農家集落の中にあり、周りは静かでのどかな雰囲気です。
 

こうしたなかで、円空さん作の薬師如来像、日光・月光両菩薩と十二神将の計15躯が奇跡的に残りました。この組み合わせすべてが揃っているのは、岐阜県内の円空仏では報恩寺だけで、全国的に見ても数例という大変貴重なものです。昭和39年(1964年)に岐阜県の重要文化財に指定されています。



伝えられるところでは、円空さんは約300年前に綾野を訪れ、たび重なる水害による疫病に苦しむ綾野の人々のために薬師三尊と十二神将を彫り、報恩寺の新福院薬師堂に奉ったところ、流行り病が治まったということです。それ以来、報恩寺に大切に安置されてきました。

保存状態も良く、荒々しいタッチですが丁寧に彫られていて、円空さんの特徴がよく顕われています。それぞれ表情は違いますが、じっと見ていると一様に優しいほほ笑みを浮かべているように感じられてきます。円空仏は予め電話で予約しておけば無料で拝観することができますので是非お出かけください。

10月には綾野祭があります。風水害がなく豊作であったことを祝う秋祭りで、江戸時代末期から伝わる曳山(ひきやま)が、華麗なからくりや子ども舞踊などを披露しながら町内を曳き回ります。


神楽やま、猩々やま、鯰やま、獅子やま、小獅子やまの5両があり、県指定の民族文化財になっています。


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