西美濃三十三霊場第一番札所
両界山横蔵寺(よこくらじ)
所 在 岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲神原1160
宗 派 天台宗
開 基 伝・三和次郎大夫藤原助基
両界山横蔵寺は、岐阜県揖斐郡揖斐川町の山懐深くに、ひっそりと、しかし荘厳な存在感をもって建っています。まさに西美濃三十三霊場の第一番札所にふさわしい名刹と言えるでしょう。
第一番霊場の碑 |
創建年は801年あるいは805年とされています。天台宗の宗祖・最澄が自作の薬師如来を安置して創建しました。鎌倉時代には隆盛を極め、38坊を有する大寺院だったそうですが、記録は断片的です。
建物以外の文化財も豊富に残っており、木造薬師如来坐像(秘仏で六十年に一回開帳)、木造大日如来坐像、木造四天王立像、木造十二神将立像、木造深沙大将立像、木造金剛力士立像、板彫法華曼荼羅など、国指定重要文化財の宝庫です。「美濃の正倉院」と呼ばれているのも納得です。
大垣市を起点とすると、名神高速大垣ICからは約35㎞、JR大垣駅から約27㎞の距離があり、自動車だと1時間くらい見ておくといいですね。とにかく近くの谷汲山華厳寺と並ぶ紅葉の名所として有名ですから、11月中旬は現地に近づくと渋滞が発生するので注意が必要です。
さて、赤い橋を渡って左へ登っていくと仁王門があります。こじんまりとしていますが雰囲気のある山門です。本来迎えてくれるはずの二体の金剛力士像はここには無く、瑠璃殿で他の寺宝とともに公開されています。
この仁王門をくぐると、正面に本堂、右側に三重塔が建っています。本堂は桧皮葺屋根で、五間四方の建物は寺としては珍しいぶな材が使われています。
三重塔は大日如来を安置するために建てらたものですが、桧皮葺きの優美な建物で、高さは約17mあります。これらはすべて江戸時代初期、寛文年間(1661~1673)の完成で岐阜県指定の重要文化財になっています。
寺はまさに深山のなかに包まれており、ひっそりと佇む伽藍を前にすると、しばし時が過ぎるのを忘れてしまうような感覚になります。やはり紅葉の季節に訪れてみたいものですね。
横蔵寺のもう一つの見どころは、舎利堂に安置される妙心法師のミイラ(舎利仏)です。上人は地元横蔵の出身で、俗名を古野小市良。諸国を巡ったのち山梨県の御正体山で即身成仏されました。明治23年(1890年)、本人の出身地の横蔵寺に移され、いまは一般公開されています。瑠璃殿とともに300円で拝観出来ます。
今日から11月。これからが一年で一番の見どころとなるシーズンです。谷汲山華厳寺と合わせ美しい紅葉を観賞してみて下さい。名古屋からなら日帰りで十分楽しめます。
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